セーラームーンオールド

以前フロントで一緒に働いていた同僚に、僕と同い年の斉藤さんという女性がいた。幼稚園に通う男の子のお母さんなんだけど、身体のラインはそれほど崩れておらず、顔も奥貫薫を素朴にしたような感じで黙ってさえいれば「キレイな女性」枠にギリギリ入れそうな奥さんだった。しかし僕と同い年なので当時で30代後半、あくまで40才直前の子持ちとしてはキレイだよって意味で、周りの評価も概ね僕と同様であった。本人の言動次第では「キレイな良い奥さん」という評価を得ることも可能だったのに、実際の斉藤さんは自らその評価を否定するような行動を取り続けていました。

まず、白々しいほどのカマトトぶりで周囲の会話を凍りつかせる事が多かった。仕事の休憩中に行われる女性陣も含めた猥談に対し「やだぁ~信じられな~い!」と必要以上の拒否反応で嫌悪感を示していた。いや、実際に下品な話が苦手だという奥様もいるだろう。でも斉藤さんが出会い系サイトにドップリとハマって不倫をしまくっていたり、会社の若い男性社員を次々とホテルに誘っていたのは周知の事実で、もはやその噂を知らないのは本人だけといった有り様だった。そしてそのうえでこの反応。彼女が発言する度に女性陣にピリピリとした空気が張り詰める。本人はそれに気付いていないのか気付いていてもお構い無しなのかそのスタンスを崩すことは無かった。出会い系で知り合った男性との待ち合わせ場所を会社の駐車場にしたり、制服のまま会社の近くのラブホテルに入ったらバレるって事まで頭が回らないのか?それともそれすらお構い無しなのか?

そして「おさげ髪」

僕達の仕事は仮にも接客業。せめて髪型だけでも清潔感あるものにしなくてはいけないのは当たり前の事である。斉藤さんがはじめておさげにしてきた時の主任の呆れ顔が今でも忘れられない。襟足を2つに別ける程度ならまだ分かる。でも、斉藤さんのそれは両耳よりかなり上の部分で括られた髪が、いったん斜め上に伸びてから垂れ下がるといったものだった。学生のバイトの子に「同じ髪型にして本物の実力を見せ付けてやんなよ」とけしかけたが「もうそんな髪型なんてできないですよ」とあっけなく断られてしまった。その子の年齢19才。斉藤さんはその日のうちにセーラームーンオールドというあだ名を付けられていた。

僕は基本的に自分より若い娘にしか興味が無いので、斉藤さんとは同僚としては仲良くやっていた方だとは思うけれど、彼女の巻き起こす騒動については少し醒めた眼で見ている事が多かった。

この娘のセックス事情には何の興味も無い。
興味があるのはうんこ事情だ。

 

 

そんな斉藤さんと数ヶ月仕事を一緒にしていると、斉藤さんのトイレパターンがある程度わかってきた。陽子ちゃんのように日常の排便を会社で済ませる頻度が高いわけではなかったが、腹痛などの緊急時にはこっそりと使っているようだった。毎日遅くまで遊び惚けてる陽子ちゃんと、一応主婦なので毎日決まった時間に起きている斉藤さんの違いがこんなところにも現れていた。

うちのフロントの女性陣は、おしっこの時はバックヤードのトイレを使いうんこの時はお客様用トイレを使う事が多かったが、斉藤さんも例に漏れずうんこの時はお客様用のトイレを使っているようだった。バックヤードのトイレは便器が一つしかない個室だったので入れ代わりに誰かが入ると残り香の問題が発生するので、うんこがしたいフロントの女性陣には敬遠されていたのだ。お客様用トイレはブースがたくさんあるので個人の特定がしにくく、お客様にニオイを嗅がれる可能性はあったが身内に「うんこ」を悟られることがない。普段から防犯上の理由でフロントの人間がお客様用トイレに出入りをする旨の張り紙がされていたので、お客様用トイレを使えるのはフロントの人間だけの特権だった。

ある日、斉藤さんと一緒に働いていると斉藤さんの様子がいつもと違う。なにか元気がない。他の娘だったら心配の言葉の一つもかけるところだが、斉藤さんの場合は騒動に巻き込まれる可能性があるので静観する僕。

「トイレ行ってきます。」

バックヤードのトイレに行く場合だと、特に忙しい時以外にはほとんどの娘が宣言をせずに行くのにわざわざ宣言をしてきた。

(ははぁ~ん。斉藤さんうんこしたかったんだな。)

「ごゆっくりどうぞ~」

いつもだと「大きい方じゃないです!」と必要以上の反応を見せるのに今日はスルーされた。そしてバックヤードのトイレとは逆のロビーの方に向かって歩いていく。うんこ確定だ。

このまま行かせるのは勿体ない。斉藤さんならしくじって嫌われちゃってもなんとかフォローできるだろう。よし!

例によって僕の中に意地悪な心が湧いてくる。

 

 

フロントの前に広がるロビーの一番奥まった所にお客様用トイレはあった。斉藤さんがうんこをしに行く後ろ姿をじっくり堪能し、斉藤さんがトイレの入り口にたどり着いたところで、「斉藤さ~ん!」と大きな声で呼び止めた。僕の大きな声にビックリしたように振りかえった斉藤さんに、僕は「ちょっとちょっと」と手招きをする。怪訝な表情を浮かべながらフロントまで戻ってくる斉藤さん。僕が内緒話のように口元に手を当てて少し前屈みになると、無防備にそこに耳を当ててきた。

「ナニヲシニイクンデスカ?」

僕がそう聞くと一気に顔が赤くなるのがわかった。

「もう知りません!」

プンプンに怒りながらもう一度トイレに向かう斉藤さん。
これは僕が悪い。便意と戦ってる時にこんなふざけた事をされたら誰だって腹が立つだろう。それにしても顔が真っ赤になったところと、プンプンに怒った表情がちょっとエッチだ。普段ノーマークの熟女だけど、斉藤さんはうんこに対する恥じらいがあってなかなか良い。

暇なのをいい事にリアルタイムに斉藤さんがうんこしてるところを妄想する。僕の視界に入っているうちはゆっくり歩いていたけれど、視界から消えた瞬間に小走りに急ぎながら個室に入って、下着を下ろすのももどかしくしゃがんだ刹那に一気に排便・・・緩いのが勢い良く出たので便器に飛沫が飛び散って・・・うちのお客様トイレには消臭剤を置いてないので斉藤さんが使った個室はしばらく臭うだろう。

一通り妄想し、妄想上の斉藤さんが手を洗ってトイレから出てくるのとほぼ同時に本当の斉藤さんもトイレから出てきた。しかし何故か真っ直ぐフロントには戻って来ずに普段したこともないロビーに置いてあるパンフレットの整理なんかをし始めた。きっと恥ずかしくて直ぐに戻ってこれないのだろう。しかしこれはちょっと面倒くさい。若い娘ならカワイイとも思えるけど、熟女がそれをやるとちょっとやり過ぎの感じもする。よし、追い討ちをかけてやろう。

「斉藤さん、ちょっとちょっと!」さっきと違い真顔で呼ぶと、仕事上の事だと思ったのか斉藤さんも真顔でフロントまで戻ってきた。僕は真顔のまま内緒話のように口元に手を当てて前屈みになった。斉藤さんも真顔でそこに耳を当ててきた。

「ナニヲシテキタンデスカ?」

赤みが取れかけていた顔が再び真っ赤になった。

普段わかい娘にしか興味がなかったけど、熟女もなかなかどうして捨てたもんじゃない。斉藤さんとセックスをしたいとは思わないけれど、斉藤さんがうんこをしているところは見てみたい。

もう少し追い討ちをかけてやろうとも思ったけど、斉藤さんと騒動になるのはまっぴら御免なのでその日の追求はそこで止めてしまった。

 

 

帰り際、一緒に片づけをしている時に「ごめんね、もうお腹大丈夫?」と言ってみる。フォローのつもりというか、言葉責めプレイの整理体操のようなつもりで一応言ってみただけだったが、斉藤さんには思った以上に響いたらしく僕に色んな事を話し始めた。

普段は快調だけどたまに便秘になる事、便秘の時はヨーグルトを食べる事、あと、アイスクリームが大好きだけど食べるとすぐ下痢をする事・・・
今回は便秘解消を狙って食べたヨーグルトの効果が思ったより早くやってきたらしい。便秘が解消された時のうんこって大量だったんだろうな、うちのトイレの水圧でちゃんと流れたんだろうか?どちらにしても個室は斉藤さんの滞留便のニオイで凄い事になっていたのは確定だろう。そうか、斉藤さんはアイスで下痢をするんだな。いい事を聞いた。

それから随分と経った夏のある日。

斉藤さんとペアで仕事中に、お客様からアイスの差し入れを頂いた。これ自体はよくある事で、夏はアイスや冷たい飲み物、冬はたい焼きや肉まんなんかをよく頂いた。

うちには仕事中でもお客様の視界に入らない場所だったら差し入れを食べてもいいという慣例あったので、斉藤さんに「どうする?」と聞いてみる。アイスで下痢になるのなら是非食べて仕事中に下痢になって欲しいが、「食べると下痢になる事」をすでに明かされているのでこちらから強く勧める事はできなかった。

「どうしよっかなぁ~?食べちゃおっかな?」
「いま暇だからゆっくり食べちゃっても大丈夫だよ」

あえて下痢の事には触れずに背中をちょっと押す。

「それじゃあ いただきま~す♪」

上機嫌にアイスをパクつく斉藤さん。これで男癖が悪くなきゃいい娘なんだけどな・・・

あっという間に一個を食べ終えた。

「おいしかったですよ。はるさんもどうぞ♪」
「ありがとう、でもアイス苦手なんだよね。よかったら食べてくれる?」

「え~、いいんですか?」
「うん。食べてくれると助かる。」

咄嗟に僕は嘘をついた。僕はアイスが大好きだ。真冬でも自宅の冷凍庫にアイスを切らした事がないくらいの人間だ。全ては斉藤さんを下痢にするための方便。

そんな僕を疑う事無く上機嫌に2個目をパクつく斉藤さん。なんかちょっと気の毒になってきた。これでふしだらじゃなかったら本当にいい娘なのに・・・

もの凄く蒸し暑い日だったので余計おいしく感じたんだろう。2つ目もそれほど時間をかけずに一気に食べきった。

食事休憩はお互いもう終わった後なのでこれから仕事上がりまで2人は一緒に時間を過ごす事になる。その間に斉藤さんがお客様用トイレに向かえば僕の勝ち、バックヤードのトイレに向かえば「小」なので僕の負け。

いまから4時間の勝負だ。

 

 

アイスクリームを2個平らげた斉藤さんだったが、そこから2時間は特に普段と様子も変わらずに仕事をこなしていた。たしかに斉藤さんが食べたアイスはプレミアム系のカップが小さいタイプだったので、2つ食べたといっても総量的には安い100円のアイスクリーム1個分しかなかった。その後、急に仕事が立て込んでしまい僕は斉藤さんのお腹の具合などすっかり忘れてしまっていた。

フロントの混雑も一段落し、後は仕事終了時間までマッタリと時間が過ぎるのを待てば良い時間帯になった。

「タバコ吸ってきますね」

そう言うと斉藤さんがバックヤードに消えていった。
僕は散発的にやってくるお客様の対応をしながら戻ってくるのを待つ。しかし10分以上経過しても斉藤さんは戻ってこない。僕は接客の合間になにげなくバックヤードを覗き込んだ。女子トイレの前に斉藤さんのサンダルが揃えておいてある。お客様用トイレではなくバックヤードのトイレを使っているので、タバコのついでにおしっこをしてから戻ってくるんだろうと、僕は特に気にも留めずに仕事を続けた。

そこから更に5分以上が経過している。バックヤードに人の気配は感じるが斉藤さんはまだ戻ってこない。もうほとんどフロントの仕事が片付いていたので、今度はゆっくりとバックヤードに確認に行く。

斉藤さんがなにやらバタバタとしていた。
流し台の下の扉を開けたり、上の戸棚を開けてみたり・・・何を探しているんだろ?

「なに探してるの?」

僕の声に一瞬ビクッと驚いたように振り返った斉藤さんの顔が、一気にまた赤くなった。

「いえ、なんでもないです!」

明らかに挙動不審となった斉藤さんがフロントに戻っていく。
僕には何を探していたのかが直ぐにわかった。

「トイレその後に」だ。

バックヤードのトイレはフロント以外の部署の女性陣も使うので、以前から残り香問題がフロントの娘たちの間で叫ばれていた。だからこそフロントの娘たちはうんこの時にわざわざお客様用トイレを利用していたのだ。身内にうんこのニオイを嗅がれたくないという乙女ごころなのだろう。しかし、おしっこでバックヤードのトイレに入った時に、他の部署の娘の残り香を嗅ぐ事が多々あるらしく、それを嫌ったフロントの有志がお金を出し合って「トイレその後に」を共同購入していた。昨日から「トイレその後に」が切れたといってフロントの娘たちが騒いでいたが、昨日休みだった斉藤さんはその事を知らなかったのだろう。買い置きがある時は流し台の下にストックされていたのでそれを探していたんだな・・・。

運良くフロントの斉藤さんが接客に入った。
バックヤードには誰もいない。
意を決して僕は女子トイレの扉を開けて中のニオイを嗅いだ。

 

 

うわっ、ゆで・・・たまご・・・の・・・臭い・・・?
意を決して開いた扉の奥には、斉藤さんのうんこの臭いが充満していた。消臭剤が切れているトイレの中に、うんこの臭いと斉藤さんの香水の匂いが混じって満ちている。斉藤さんのうんこはコレ系の臭いなんだ。

くさい。

フロントに戻ると斉藤さんの接客がちょうど終わったところだった。斉藤さんは僕に何か言われると思って身構えている。

「トイレその後には見つかった?」
「いえ、違うんです・・・探してません。」

「昨日切れちゃったらしいよ。」
「なんだ、そうだったのか・・・あっ、」

初歩的な誘導尋問に引っかかる斉藤さん。

「アイス食べちゃったからね。大丈夫?」
「はい。いつもの事ですから。」

心配したふりをしたらあっさり白状した。こうなったら嫌われてもいいから言葉責めを楽しもう。

「やっぱりうんこだったんだ。」
「・・・はい。」

「消臭剤が必要なくらいに臭いのが出ちゃったの?」
「そんな事ないです!無かったから探しただけです。」

「え~、でもちょっとは臭かったでしょ?」
「そんな事ないです!」

大嘘つきだ。僕に残り香を嗅がれた事を知らずに斉藤さんがしらを切る。腐った卵みたいなニオイのうんこをしたのに・・・

「下痢しちゃったの?」
「はるさんがアイスを食べさせるからですよ!」

むきになって責任転嫁をしてくる。もう手加減は不要だ。

「斉藤さんみたいな人も下痢するんだ~」
「してないです!」

もう本人も訳がわからなくなってきたようだ。少し方向を変えよう。

「でも、どうして今日はバックヤードのトイレを使ったの?」
「・・・」

多分これは以前お客様用トイレにうんこをしにいって僕にからかわれた事を憶えていて、今回もお客様用トイレにいったらまた馬鹿にされると思い裏をかいてきたんだろう。皮肉にもそのせいで恥ずかしい残り香を僕に嗅がれてしまった。策が裏目に出たようだ。

「やっぱり斉藤さんみたいな綺麗な人でもぷぅ~とかぷりぷりとかいうの?」
「いわないです!」

「いまトイレにニオイを嗅ぎに行ったらくさいかな?」
「臭くないです!」

「行っちゃおうかなぁ~」
「・・・」

絶望的な顔をしている。前に陽子ちゃんに似たような事を聞いた時とはリアクションに違いがあって面白い。

「嗅いできまぁ~す!」
「えっ、やめてください!」

小走りにバックヤードに行くが、斉藤さんは追ってこない。あれ?ひと呼吸置いてフロントに戻る。斉藤さんは接客中だった。

接客が終わった斉藤さんにそっと耳打ちをする。

「いつも・・・・・・あんなニオイなの?」
「もう!知りません!」

斉藤さんが耳まで真っ赤にして怒ってしまった。仕方がないので今日のプレイは終了だ。

必死に謝った甲斐があって、翌日にはいつもの斉藤さんに戻っていた。
斉藤さんは男にはだらしないけど、本当はいい娘なんだな。