ゲームセンターにて

これもかなり前の話で今から20数年前。

当時でも今のようにカップルが楽しむような明るい感じのゲーセンはあったんだけど、そうじゃない昭和のテイストが強く残ってる怪しげなゲーセンがまだけっこう残ってて古くなった筐体のゲームなんかを1回50円でやらせてたりなんかしていた。

貧乏学生だった僕は暇になると2~3百円をポケットに入れ、よくそんなゲーセンで時間をつぶしをしていました。
やる気のない爺さんが店番をしていてこちらから声をかけないとカウンターの中で生きてるんだか死んでるんだか姿が見えない。そんな雰囲気が心地よくて近所の子供がゲームしてるのをボンヤリ眺めたりしながらいつも長居をしてしまうのが決まりだった。

ある日店に入ると見かけない男の人が店の端にあるゲームに座ってタバコを吸っていた。ヤンキーなら面倒なことが起きる前に逃げ帰る主義の僕だったけど、その人はお洒落な感じが印象的なだけで怖い感じの人ではなかったので離れた席から様子を伺う事にした。

やはり少し様子がおかしい。全くゲームをする気配がない、いや画面すら見ていない。
椅子に斜めに座り足を組み、頬杖を突き斜め上を見上げながらタバコを吸っている。
格好がお洒落なのでその姿だけ見ると物すごく格好いいんだけれど、朽ち果てかけたゲーセンでそのポーズは逆に浮くだろう?何してんだろこの人?

誰か待ってるのかな?

そういえば彼が座っているゲーム機の横がトイレの入り口になっていて、そこに入ってる人を待っていると思えば理解できなくもない姿ではあった。
タバコが終わっても連れは出てこない様子。僕がこの店に入ってから10分は経った。
モナコGPで優勝した僕はトイレの入り口を正面に見ることのできるゲーム機に移動した。

これだけ長かったらおしっこじゃないよな?

まだトイレに入ってるのが男か女かも分からない状態で妄想スタート。
ここのトイレは男女共同の和式トイレ一つなので、子供に入られなければ残り香チェックを遂行できる。子供達はゲームに夢中だ。

店に入ってから15分は過ぎていたと思う。僕が店に来る前から入ってたんだからいったい何分篭ってたんだろう、遂にトイレから人が出てきた。

青白い顔をした女の娘だった。すぐにお洒落な彼に肩を抱かれて店を出て行った。
少し気になったのは彼は物すごくお洒落なのに彼女は普通な格好だったこと。
ブランド系の格好とイトーヨーカドー系の格好みたいに。
カップル?・・・兄妹?

さっそく残り香チェック。
トイレに入ると水道の臭いと下痢の臭いが混じった臭いが漂っていた。
もっと詳しく言うと水道水独特の塩素の匂いと有機的な臭さに下痢のときの硫化系の臭いと
酷い下痢のときに出てくる体液のような臭いが混ざった臭い。

水道の臭いが強かったのは何回も何回も水を流したのかなぁ?

確かに興奮もしたけれどちょっと切ない感じもする出来事でした。
病気じゃなくて単なる食べ過ぎや冷えの下痢なら大興奮なのに・・・